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五輪連載企画「熱戦の書」第4回「凱」

東京オリンピック期間中さまざまな競技を観戦しながら浮かんだ言葉を書にし

五輪連載企画「熱戦の書」としてその思いを綴らせていただきました。

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第4回「凱」

端正な顔立ち。明るい笑顔。そして強い。まさに絵に描いたようなスポーツの、武道の、あにといもうと。
常に金メダルを期待される日本の柔道という厳しい競技で、初めてのことをやってのけた。
その瞬間、天真爛漫(らんまん)ないもうとは喜びを身体中で表した。「開催してくれてありがとうございます」。この状況の中で柔道ができることに感謝を示した。「お兄ちゃんが今からだから気が抜けない」。すぐに気を引き締めた。
しっかり者のあには一礼をして畳を降りた。「胸を張って畳を降りたいと思った」。王者の矜持(きょうじ)を見せた。「歴史に名を刻めた」。兄妹での快挙を素直に喜んだ。
ライバルの存在、敗北からの再起。だけど最高の舞台で二人して高らかに凱歌(がいか)を上げた。
この二人の汗と涙を日本中が見てきた。これからまた何年も、この二人の物語を私たちは見続けることになるだろう。

 

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協力:共同通信

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