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五輪連載企画「熱戦の書」第7回「誠」

東京オリンピック期間中さまざまな競技を観戦しながら浮かんだ言葉を書にし

五輪連載企画「熱戦の書」としてその思いを綴らせていただきました。

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第7回「誠」

卓球競技は1988年のソウル大会から正式種目になったそうだ。そこから五輪卓球の歴史は、絶対王者中国の勝利とシンクロする。
日本がこの競技でメダルを取るなど考えることはできなかった。だが今はどうだろう? メダルを目指し、獲得して歓喜、逃して悔し涙を流す。
石川佳純(いしかわ・かすみ)さん、平野美宇(ひらの・みう)さん、伊藤美誠(いとう・みま)さん、史上最強といわれる日本代表メンバーの集大成とも言うべき大会だった。
彼女たちは試合を追うごとに力強くなった。集中、自信、痛恨、歓喜…。一球一球に喜怒哀楽を表し、成長していく様を見せてくれた。
私たちは、この3人の選手たちを子供の頃から知っている。卓球台の前で涙していた少女たちが、年月を経てさまざまな経験を重ねた今、世界の王者を震え上がらせた。
選ばれしものたちは最高峰の舞台で、その恍惚(こうこつ)と不安を存分に表現した。スポーツは人間の誠の生きざまを見せ、私たちを魅了する。

 

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協力:共同通信

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